5曲あるサン=サーンスの吹奏楽作品中、特に見事な演奏会用作品。変ホ長調2分の2拍子の主部(「西洋」)の輝かしく、ダイナミックな表現は後年の交響詩や交響曲第3番の先駆けと見ることができるでしょう。木管がエキゾチックな旋律を奏でるト長調4分の3拍子の中間部。ここでの「東洋」はアフリカ、中東を連想させます。主部の再帰は冒頭主題のフーガで始まり、クライマックスで中間部の主題がそれに絡み合います。このたび刊行されたのは、作曲者が1909年に編んだ管弦楽版。デュランからは連弾版しか刊行されてないので貴重な存在でしょう。
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